自転車は様々なパーツで組み立てられ、各パーツごとにセッティングが必要であるが、ライダーが自転車をコントロールするために直接触るパーツについては、特にライダー個々に合ったセッティングが必要である。もちろん乗り方によってもそのセッティングが変わってくるが、ここではSL Bike 的乗り方についてのセッティングを解説して行く。
 コントロールに関係するパーツとしては、まず自転車の本体となるフレーム、ハンドル回り、サドル、ペダル回りである。そして自転車と地面とのコントロールに大いに関係するタイヤがある。それぞれのパーツのセッティングに関しては相関関係もあるので、それはライダーのポジショニングということで説明したい。

フレーム
 自転車のフレームサイズは身長(特に股下の長さ)によって選ぶことになるが、カタログにフレームサイズ400mmなどと書いてあるのはシートチューブの長さのことで、シートチューブの長さをフレームサイズとしているメーカーが多い。SL Bike の場合は、クイックな取り回しが多いので、XC Bike で的確といわれるサイズより小さいサイズを選ぶ。SL Bike はジャンプをしたり、フロントを持ち上げて障害物を乗り越えたり、アクティブな乗り方が楽しいので、フレームの材質は何でも良いが剛性は高い方がよい。

ハンドル
 ハンドル回りには色々なパーツがつく。まずハンドルバー、グリップ、ブレーキレバー、チェンジレバー、ステムなど。ハンドルはバイクコントロールには重要なパーツであるから、ハンドル回りのセッティングはきちんとやりたい。しかし自転車に乗り馴れて筋力がついてくると、ポジショニングもしだいに変わって来るので、まめにセッティングをし直そう。
ハンドルバー
 ほとんどのXC Bike にはストレートのハンドルバーがついているが、SL Bike はアップハンドルをつける。XC Bike は登るときに、フロント(前輪)が浮き上がらないように上半身をハンドルにかぶせるようにしてこぐのでストレートバーの方がいいが、SL Bike は下り重視なので、ポジション的にはXC よりも起きた体勢で乗るのでアップハンドルの方がいい。ハンドルバーの幅もフロントの押さえが効くようにXC よりも広くなる。アップハンドルは取り付けるときに、前に倒すか後ろに倒すかでサドルからの距離と高さが微妙に変わるので、ポジショニングによってセッティングを変える必要がある。幅も肩幅や腕の長さによって自分に合う幅に切らなくてはならないが、切ってしまうと延ばすことは出来ないので、しばらく乗って自分のポジショニングがはっきりと決まってから切った方が良いだろう。
グリップ
 グリップの太さは、手の大きさや好みで様々だが、SL Bike はジャンプしたりフロントを引き上げたりとグリップに力がかかりグリップがずれるので、ゴムのりを塗って固定したり、両端を針金で絞めたりして、グリップがずれないような処理をしておく。
ブレーキレバー
 ブレーキングはバイクコントロールにおいて非常に重要且つ微妙な操作だ。したがってセッティングには気を使おう。ブレーキレバーの操作は人さし指一本で引く。したがって、グリップを握って人さし指がしっかりとかかる位置にレバーを取り付け、レバーの引き幅を調整する。重要なのはレバーの取り付け角度だ。マウンテンバイクのライディングポジションはサドルに座らずスタンディングで乗ることが多い。したがってスタンディングでグリップを握ったとき、自然にブレーキレバーに指がかかる角度に取り付ける。以外と下向きになるはずだ。しかしこれも乗りなれると角度が変わって来る。
チェンジレバー
 チェンジレバーはブレーキレバーとくっ付けて取り付けるので、ブレーキレバーの位置が決まれば自然と取り付け位置は決まる。
ステム
 ステムはフロントフォーク(フロントサスペンション)のシャフトにハンドルを取り付けるパーツだが、ステムの長さでサドルとハンドルの距離を調節することになる。ステムの長さは体型やポジショニングで決まってくるが、SL Bike では短かめのものが好まれる。ステムの角度でハンドルの高さも調節できる。           

サドル
 最もこぎやすいサドルの高さは、サドルに座って足を伸ばしたときに、かかとがペダルにちょうど届く高さだ。この高さでこぐと腿の筋肉に負担がかからないから、登りでも楽にこげる。XC Bike ではこの高さでサドルをセッティングするが、SL Bike では敢えてこれよりだいぶ下げてセッティングする。SL Bike 的乗り方では、腰を前後左右に動かしたり、加重、抜重の上下動も多いので、腰の動きの妨げにならないようにサドルを下げてある。また、腰を後ろに引くときに引きやすいようにサドルを前上がりに取り付ける。

プラットホームペダル

ペダル
 SL Bike には足が外れにくいように、ピンが打ち込んであるプラットホーム(箱形)ペダルかビンディング(SPD)付きのペダルを取り付ける。SPDペダルは、スキーのビンディングのように、靴のそこに付けた金具(クリート)をペダルに踏み込んで、靴とペダルを固定してしまうペダルで、足をある角度でひねると外れるようになっているが、慣れないとペダルから足が外れなくてそのままバタンと倒れてしまうことがある。しかしこのペダルでの自転車との一体感は最高である。プラットホームペダルはピンが靴に食い込んで外れにくいようになっているが、ジャンプの着地の時などに外れて脛に当たって、脛がズタズタになることがある。           

SPD ペダル


タイヤ
 タイヤは地面に直接触れて、自転車の力を地面に、そして地面の変化を自転車に伝えるバイクコントロールの最前線にあるパーツだ。したがって、タイヤパターン、サイズ(太さ)などの選択は重要だ。そして空気圧もタイヤのグリップに大いに関係する。タイヤパターンは、街乗り用、XC 用、DH 用などがあるが、あらゆる路面の走行を想定して、太め(2.1インチ)のXC タイヤあたりがオールラウンドでいいかと思う。メーカー各社からパターン、コンパウンドの硬軟など各種発売されているので評判などを検討して選べば良いと思う。空気圧はエアーゲージで計りながらいろいろ試してみてセッティングしよう。           

ポジショニング
 SL Bike のポジショニングは基本的にはサドルに座らないスタンディングだ。そしてスピードが増すにしたがって上体は低くハンドルにかぶさるような姿勢になる。これは上半身を腹筋と背筋で支えているので、自転車の重心の移動を上半身でスムーズにコントロールしているからだ。しかし自転車に乗り始めの頃は、上半身を腕で支えてしまうので、上半身の動きがスムーズでないと共に地面からのショックがまともに上半身に伝わってしまい、バイクをうまくコントロールできないことになる。SL Bike での基本的ポジショニングは、足首、ひざを柔らかく曲げ、手首、肘、肩の力を抜いて、上体をスムーズに動かせる姿勢である。SL Bike をセッティングするときに、最初のうちは腕で支えたポジショニングになりがちなので、ハンドルまでの距離が遠く感じて、それに合わせたセッティングになってしまうが、腹筋背筋で支えるようになると、ハンドルまでの距離感が変わってセッティングも変わって来るはずだ。ポジション、フォームのイメージトレーニングは大事であるが、何よりバイクに乗り込むことが一番で、無駄な力が抜けて来る。(下の写真は両方ともサドルに腰掛けていない)
 
具体的なライディングテクニックはテクニック編で解説する。           
次は、ヘルメット、プロテクターなど、ウエアーについて!