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Vol.19
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| 『失われた楽園』(目覚めた遺跡) |
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5日分の食料と装備を持ってあらためて階段を下り始めた三人は、この先何が待ち受けているのかを想像して、ワクワクすると同時に緊張感で体が少し固くなっていた。階段は、幅1m、高さが2mほどの広さで、傾斜はかなりきつかった。でもこの日は覚悟を決めていたので、ためらわずにどんどん下に向かって降りた。666段降りたところで、突然広い空間に出た。200mほど降りただろうか、おそらく海面より下だと思われる。そこは自然にできた洞窟を大きなホールに造り直したものらしく、床や壁は人工的なものだが天井からは大小の鍾乳石がたくさん垂れ下がっており、かえって厳かな感じをかもし出していた。宗教的儀式に使われたところに違いないとバロータは言った。広さは100坪ぐらいはあるかと思われた。
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ホールの正面に当たるところに祭壇のようなものがあって、祭神と思われる像が安置されていた。三人は像の姿を見て背筋にゾッとするものが走った。今までに見たことがない姿だったからだ。地球上にいる生き物とかけ離れたもので、怪物とか妖怪と言ったほうがぴったりの姿だった。腰から下は龍の尻尾のようでウロコがあり、顔はカッパに似ていなくもなくて、水中で生きる生物のような感じがした。バロ−タは、どこの神話かは忘れたが、シリウスあたりの星から来た魚の神から色々な知恵を授かったという神話を読んだことがあったと言った。他にもこのホールには見なれない物がたくさんあったし、かなり古い遺跡であるはずなのに、埃や土のような物があまり堆積していないのが不思議だった。祭壇の前には井戸があり、縁から1mほど下に、底知れぬ青さをたたえた水面が、覗き込む三人の顔と灯りを写していた。忠平は、一瞬底のほうで何か黒い影がぬるッと動いたような気がしたが、他の二人が何も言わないので、気のせいかと思って黙っていた。
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井戸の手前には丸い鏡が埋め込まれた腰の高さほどの石像あって、忠平がその前に立つと、鏡が反応して一瞬キラッと光ったような気がしたが、忠平は気にもしないで鏡の中を覗き込んだ。手に持った灯りでは暗くて写った顔は良く見えなかった。もっと明るければなぁーと思ったとたん、ホールの中は昼間のようにパッと明るくなった。忠平はびっくりして思わず声をあげ、持っていた灯りをほうり出した。バロータとロロは何が起こったのか分からなかったが、慌てて忠平のところに飛んで来た。バロータたちに何をしたのか聞かれたが、忠平は何がどうなったのかまったく分からなかったので答えようがなかった。バロータとロロが鏡に近付いて鏡のあたりを触ってみたが何も起こらなかった。忠平も恐る恐る鏡に近付いて再び鏡を覗き込んだ。するとまた鏡が一瞬キラッと光った。忠平はいったい何が起こったのだろうかと考えた。するとどこからか「あなたの命令に従ったのです」と言う声がした。三人はまた驚いて、あたりを見回した。声がどこから聞こえたのかは分からなかったが、天井全体が螢の光りのように発光しているのが分かった。再び忠平は鏡を見ながら、この鏡はいったいどうなっているのだと考えた。するとまた声がして「これはあなたの考えていることをイルに伝えるための装置です」イルって?と忠平は考えた。「イルとは、あなた方が神と呼ぶ存在です」
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| 三人は驚いたが、このことは現実として受け入れるしかなく、いったい何が起こったのか相談すべく集まったが、バロータは予想もしなかった現実を目の当たりにして興奮していたし、忠平は何がなんだか分からなくて呆然としていたし、ロロはただ恐ろしくて震えているだけだったので相談にならなかった。 |
| だがバロータは学者だけあって、忠平に質問しているうちにさすがに冷静さを取り戻し、状況の分析を始めた。バロータが鏡の前に立って何か命令しても何も起こらないし、ロロにやらしても同じだった。鏡は忠平の持つ何かの力に反応しているとバロータは結論を出した。そこでバロータは、忠平にイルにたいして質問をさせてみることにした。まず、イルとは何者なのかという質問を! |
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(次回に続く!)
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楽園の放浪者の独り言
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| 日本はもうじきお正月である。ポレポレ島の正月はどんな正月なのだろうか?正月といっても、いつもと変わらない南国の一日なんだろうなぁ〜。やはり寒くないとオレは正月という感じがしない。 |
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| 暮れから正月にかけて日本のテレビ番組は特番というやつばかりで、オレはあまり好きじゃない。特にバラエティー番組は面白いと思わなくなってしまった。同じようなことばかりなので飽きてしまったのだろう。 |
| オレのテレビ歴は長い、飽きるほど見てる。自慢じゃないが50年以上だ!NHK が放送開始50周年といっているのにおかしいと思うでしょう?じつは放送開始前、試験放送の時からテレビを見ているのだ。 |
| オレの親父はエンジニアで、オレは親父の作ったテレビでNHKの試験放送を見ていたのだ。そのテレビは、シャーシの上に真空管や直径15cmぐらいの丸いブラウン管がむき出しのまま付いたケースもないもので、感電するから後ろの方には絶対触るなと親父が口うるさく言っていた。当時オレは3歳か4歳、何しろ家中で一番ヒマなものだから、いつもテレビの前に座ってテレビを独占していた。しかし画面に写っているのはテストパターンのみ。夕方5時か6時頃に番組が始まるのだが、時計が読めなかったし、いつ始まってもいいように、何時間もジーッとテストパターンを見ていたのだ。何しろヒマ人だったから・・・。覚えている番組は、結城座のあやつり人形劇で、九尾の狐たまもという話だった。ニュースなどもやっていたのだろうが記憶にない。 |
| 年末になると、どこのテレビ局でも今年の十大ニュースというのをやる。今年は色々大きな事件があったから10個に収まらないかも知れない。オレもオレ個人的今年の十大ニュースというのをやろうかと思ったのだが、何しろポレポレと生きているものだから、毎年たいして代わり映えがなく、10個もニュースといえるものがない。とりあえず十大を重大にかえて何か一つぐらい大きなことがなかったか考えたが、何もなかった。平凡。いつもと違う事といえばこのポレポレ島のサイトに関わったことぐらいだ。まあ、こういう何も起きなかった1年も良い1年だったと思う事にしよう。 |
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開島以来、この楽園の放浪者を読んでいただき有り難うございます。
こりずに来年もおつき合いのほどを! 皆さん良いお年をお迎えください! 楽園の放浪者 kazsan |