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Vol.14
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| 有史以来、一つの文明が今に続いていると例は数少ない。多くの文明は、衰退したり、他の文明に滅ぼされたり混じったりして、変化、消滅をして来た。歴史とは、文明と文明の衝突、つまり民族と民族の争いの軌跡ということができるだろう。 |
| アフガニスタンではいま戦争が行われている。この戦争はイスラム教社会とキリスト教社会の争いといった単純なものではない。その手の争いは、有史以来ずーっと続いている。今度の戦争は、アルカイダというテロ組織が問題の核にあるのだが、タリバン、反タリバンの勢力争いに関係各国の思惑が絡み合い、アフガニスタンを取り巻く国々の政治的圧力が何処でバランスするかという複雑な戦争になっている。 |
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| 人はなぜ殺し合をするのか?この問いに、ある人類学者は「人間が人間となったのは、殺すことを学んだからだ」と言った。1948年、アフリカのマカバンスガットのアウストラロピテクスの遺跡で、南アフリカのレイモンド・ダ−ト博士は興味深いものを発見した。何か棒のようなもので殴られた痕がある27個のヒヒの頭骸骨だ。ダート博士は、頭骸骨に2ケ所のくぼみをつくった棒は、カモシカの前足の骨の上の部分であったと結論を下した。そしてこのことから、アウストラロピテクスは他を殺すものであり、最初に武器を使った人類の祖先かも知れないと言う結論を導いた。 |
| 進化論的に言うと、人類は過去350万年かけてホモ・サピエンスへと進化してきたことになる。最初に類人猿のようなアウストラロピテクス・アファレンシス、100万年後に、アウストラロピテクス・アフリカヌスに進化し、その後ホモ・ハビリス、ホモ・エレクトス、ホモ・サピエンスへと進化してきた。ダーウィンの進化論の根柢にあるものは「適者生存」である。つまり、勝った者が生き残る。近代になり国際法ができるまでは、戦いにおいて、勝った者が負けた側を皆殺しにするというのは当たり前のことであった。 人類の350万年進化の歴史は、殺し合いで勝ち残った者の系譜なのだ。地球の歴史50億年での人類の出現は、殺し合うという DNA を持った自滅種の一つが、絶滅していった恐竜と同じように、たまたまこの地上に誕生しただけなのだろうか?人間は、自滅的 DNA を知性の力で押さえ込むことができる生き物であるということ、そして何か大事な使命を持ってこの世に誕生してきたと、私は信じたい。 |
| 10月25日 |
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| オレはいま Ukara に居るが、訪ねてみようと思っている人がいる。Ukara にはアンナさん達のお祖父さんの昔の仲間を探しに来たのだが、何処をどう探したらいいのか見当もつかないので、夏至の日、サンセットビーチで明日に沈む夕日のことを教えてくれた、元漁師のマルコさんを訪ねてみようと思っているのだ。アフター・ザ・サンセットというバーに行けば居所が分かるとマルコさんが言っていたので、そのバーを探すことにする。夕日好きのマルコさんのことだから、仕事が終わった後にそこで一杯やっているのだろう。日没後に行ってみよう。 |
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Ukara の町は、南の島の町にしては渋い感じがする。イギリスやアメリカ東海岸の漁港のような感じだ。といってもオレはどっちにも行ったことがないので、写真で見たイメージでいうのだが・・・。三方を山に囲まれ、とくに西側を高い Mt.kisa に遮られているので、午後の早いうちに太陽が山の向こうに入ってしまい、日暮れ状態になるのでくらい感じがするのだろう。南の島の楽園というイメージはないが、大人の町といった落ち着いた感じのいい町だ。Ukara の町から夕日は見れないが、Cape of Wind からは、Mt.kisa の肩に落ちて行く夕日が見れるらしい。
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| アフター・ザ・サンセットというバーは、町の真中を流れる Tears Creak の東側、港が見下ろせる小高いところにあった。扉を開けて中に入ると、マルコさんがカウンターの中に居て「いらっしゃい」と言った。彼はバーのマスターだった。 |
| 二人は再会の乾杯をして、さっそく本題、お祖父さんの仲間探しの話になった。だが驚いたことに、マルコさんのお祖父さんこそがその仲間だったのだ。赤い糸は繋がっていた。二人ともイタリアからの移民で一時一緒に漁師をして居たらしい。マルコさんのお祖父さんは3年前まで漁師をしていたが事故でなくなったということだ。その事故以来マルコさんも漁師をやめたらしい。 |
| マルコさんとお祖父さんは3年前のシケの日に漁に出ていた。海はしだいに荒れて来たが網にかかる魚は増える一方で、お祖父さんは引き上げた方がいいと言ったが、マルコさんはこんな大漁はめったにないともう少しと言って漁を続けた。大漁の魚を積んで港に帰る途中、横波を受けて船は簡単に沈んでしまった。魚を積み過ぎて吃水が下がっていたせいだった。お祖父さんは死んでしまって、マルコさんは漁師を辞めた。 |
| マルコさんはお祖父さんから手帳の話は聞かされていると言った。でもその話は明日にしようということになって、二人は乾杯の続きを始めてしまった。 |