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Vol.11
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| 今回は手帳のことについて、分かったことを少し書いてみよう。手帳は革表紙で中は横書きだが、毛筆、墨で書いてある。当時、筆記用具としてはまだ毛筆が一般的だったのだろう。手帳と一緒に矢立てなどを持ち歩いていたに違いない。墨で書かれていたおかげで、擦れたり滲んだりすること無く今でも読めるのだ。手帳の持ち主は、高井忠平。明治10年3月15日生まれ、出身は九州らしい。几帳面な性格だったらしく、細かい字でびっしりと書いてある。日付けは飛び飛びで、日記というより覚書なのかも知れない。手帳は全ページの3分の1を残して突然終わっている。終わりのほうのページの間に、シダのような植物の葉を挟んであった痕があり、大洞窟にてと書いてある。手帳に記された最初の日付け明治30年3月15日のページに、手帳の由来が書いてあった。 |
| 明治30年3月15日 (以下、手帳の要約) 今日で私は二十歳になった。この手帳は私の友人バロ−タさんから誕生日の記念にと貰ったものである。日本では誕生日を祝うことをしないが、外国では贈り物をしあって祝うらしい。私はバロ−タさんから手帳を貰って、彼の気持ちがとても嬉しかった。友情が深まった気がする。友情の証しとして二人のことを手帳の最初に記す。 バロータさんはイタリア人だが英語塾の先生である。およそ半年ほど前、攘夷派崩れの男に絡まれているところを助けたことが縁で友人になり、私が塾に通うきっかけにもなった。彼はアメリカ船の船員として日本に来たが、本来は学者だ。何か調べていることがあって、イタリアから世界各地を回っているということだ。イタリア語、スペイン語、英語、仏語は完璧に話すし、他にも何カ国語か分かるらしい。もちろん日本語も少し喋る。いま日本の神話や伝説について調べていて、私もそれを手伝っている。 私は、九州の国東にある神奈備神社の神官の子として生まれたが、神職を好きになれなかったし、三男ということもあって、商人をしている叔父を頼って横浜に出てきていた。横浜に来ても、商人見習いに気が入らず、自分が何をしたいのか分からないで焦っていた。そんなときにバロ−タさんに出会って、彼が何者で何を求めているのかを知るにつけ、しだいに彼に憧れを持ち、そして自分の進む方向が見えてきたような気がした。自分勝手だが、いまはバロ−タさんの弟子になった気でいる。彼の行くところ、たとえ地の果てでも、私はついて行くつもりだ。武道に関してはいささかの自信があるから、いざというときに彼の助けになるだろうと思う。バロ−タさんは楽園を探していると言った。 |
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9月30日
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ビーチパラソル、デッキチェア−、テーブルの上にはトロピカルドリンク、もうこれは絵に描いたようなビーチライフだ。オレはいま Zanmai Beach で寝転がっている。ここは North Back に比べるとやはり穏やかだ。どうしても、だらぁーっとしてしまう。Ukara に向かう途中だが、浜辺の太陽と風に誘惑された。ブギーもここは気に入ったらしい。魅力的なメスがいるのか出たきり帰ってこない。帰ってくるまで足留めだな。
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Bobo Forest でしばらく手帳を読んでいたが、分からないことがいっぱい出てきたので、シティーセンターの図書館に寄っていろいろ調べてきた。途中、おばちゃんに分かったことを報告してきたが、フンフンと聞くだけであまり関心はないようだった。アンナさんは先生をしているだけにかなり興味を持っている。手帳はアンナさんと調べることにしよう。おばちゃんは抜きだ。
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| シティーセンターではインターネットが役にたった。図書館には光ファイバーで接続されたコンピューターがあり、日本円換算でおよそ100円を払うと一日自由に使える。どうもオレは検索が下手だ。どうどう巡りで目的の情報にたどり着けないことがある。日頃ダイアルアップでケチケチ使ってるせいかも・・。今どきの若モンは欲しい情報を検索エンジンであっという間に引き出すらしい。オレが若い頃は、分からないことは図書館で調べるのが常道で、あっちの本こっちの本と見てるうちに思わぬところにハマってしまって、当の探し物はどうでも良くなっちゃうことがあった。インターネットでも思わぬサイトに引っ掛かって、次から次へとあらぬ方向に行ってしまうことがある。こういうのをネットサーフィンと言うのかな?オレの場合はネット遭難かもね。 |
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| ネットで検索した言葉は、ローマ皇帝ネロ、シャンバラ、黄泉の国、ダライラマ、ラーマーヤナ、マハーバーラタ、クル族、カラ族、アトランティス、ム−、トゥーレ大陸、神話エッダ、フリーメースン、バラ十字会、マヤ、インカ、神代文字、イサク、ヨセフ、オシホミミ、ホホデミ、などである。手帳には、まだまだ分からない事がたくさん書いてある。 |