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Vol.10
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| 「学問のすゝめ」という本がある。1万円札でお馴染みの福沢諭吉が書いたものだ。若い人の中には、福沢諭吉が何をやった人か知らない人もいると思うし、ましてや「学問のすゝめ」なんか読んだことも聞いたこともないという人が多いと思う。自慢じゃないが、「天は人の上に人をつくらず、人の下に・・・」というフレーズは知っているが、私も本は読んだことがない。 | ||||
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| 幕末から明治にかけて、当時の若者達は日本国のためにと大いに学問をしたらしい。福沢諭吉もその中の一人だ。学問とは、問い、学ぶと書く。彼等は世界に目を向け、新しい知識を問い、求めて、一生懸命学んだのだ。私は小、中、高、大と学校に通って、教育され、勉強してきた。教育とは、教え、育むと書く。勉強とは、勉めを強いると書く。学問と、教育勉強は方向が逆だ。学問は、自分が知りたいこと分からないことを自らの意志で学ぶことであり、自発的行為である。教育、勉強は、教えられたことを自分に強いて覚えることで、受動的行為だ。今の学校教育の中には学問するという自主性が少ないような気がする。私の中では、学問は楽しい、勉強はつまらないという思いがある。学生時代、学校の授業より、放課後図書館で好奇心のおもむくまま手当りしだいに本を読んでいた時間のほうが、何倍も楽しかった。 | ||||
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| 明治時代になって、国内では富国強兵と国家体制を整えているときに、海外に目を向け、ひと旗揚げようと日本から出ていった若者も多くいた。また、ナショナリズムの高揚で探検に身を捧げる者も多く出た。これは探検や冒険ではなしになされた快挙なのだが、明治26年、27歳の青年、玉井喜作はウラジオストックからドイツのベルリンまで徒歩でシベリアを横断している。彼は後にドイツでジャーナリストになるのだが、当時新文化の模範であるヨーロッパ、特にドイツに憧れて、そのドイツに渡るのに一番安上がりな方法として徒歩でのシベリア横断を決行したのだった。また、中村春吉という人は、明治35年から約1年半かけて、自転車による世界無銭旅行をしている。中国、シンガポール、インド、トルコ、ヨーロッパ、イギリス、アメリカと周り日本に帰ってきている。途中はまさに波乱万丈の冒険旅行だったらしいが、行く先々でそこに住む日本人に、同胞のよしみで助けられたりしているので、当時からかなり多くの日本人が世界各地に居たらしいことが分かる。明治時代には、学問的人生、つまり新しいものを求めて自発的生き方で世界に出ていった若者が多くいたのだろう。 | ||||
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9月22日
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| 今日はオレの誕生日だ。誕生日なんか忘れていたい歳になってしまったが、誕生日を素直に喜べるような生き方をしなくちゃなぁ、と思う今日この頃である。 さて、手帳の続きだ。アンナさんのお祖父さんは、イタリアからの移民だそうだ。この島に来た当初は、Ukara で漁船に乗っていたらしい。例の手帳はその頃手に入れたものらしい。おばちゃんの記憶では、お祖父さんが助けた人から預かったものらしいが、助けた人は白人だったということだ。手帳の中身は、高井忠平という人が書いた日記だということは分かったのだが、何しろ文語体で書かれているうえ、達筆なものだから、古文の授業をサボっていたオレとしては、はなはだ読みづらいわけで、スラスラとアンナさんに読んで聞かせることが出来ないのだ。日記は、明治30年3月15日の日付けから始まっている。 Ukara の町には、お祖父さんの昔の仲間がまだ生きているかも知れないということなので、手帳を手に入れたいきさつが少しでも分かればと、Ukara に行ってみることにする。手帳の解読については時間を貰うということでオレが預かった。もちろんこの手帳の件については、ポレポレとやればいいということになっている。 |
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| 9月23日 | ||||
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| 今日は秋分の日だ。もう秋かと思うのだが、ここは南国の島、秋の気配はまだ何処にも無い。いま、Bobo Forest にいる。ここは海の傍とは違ってさすがにカラッとしてる。標高も少し高いからだろう。 自然活性力研究所の所長(主任研究員?)、山村雅康氏に会いに来た。彼は島の遺跡を研究しているということなので、島の歴史について何か参考意見をもらえればと訪ねてみた。特に19世紀の島の事情だ。だが残念なことに、氏は遺跡探査に出かけていて留守だった。遺跡探査には Ukara から船で行くらしいから、Ukaraのどこかでばったり会えるかも知れない。 オレは昼飯の後1時間ほど、ブギーと一緒に昼寝をする。シェスタというやつだ。その代わり朝は早い、日の出と共にというほどでは無いが、まあそれに近い時間には起きている。Bobo Forest での昼寝は素晴らしく気持ちが良かった。朝の目覚めのような爽やかさで目が覚めた。1日が2日分になった気分だ。そういうことで、しばらくこの森でキャンプすることに決めた。 |
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