クルーザー(Cruiser)
 クルーザーはキャビン(船室)を持ち、生活することが可能な設備があるので、食料、水などの装備が整っていれば世界中どこへでも行くことができ、またそこで暮らすことができる。これがクルーザーの最大の魅力だ。世界を回らなくても、日本中どこへでも行くことができるし、どこにも行かなくても、海でのんびり生活することができる。
 クルーザーは船底にキールとバラストが付いているので、起き上がり小法師の原理で船の復元性能は格段に優れている。船室に浸水して浮力を失うことがなければ、めったに沈むことはないので、本船が航行できないような大荒れの海も、乗り手の腕が良ければ安全に航行することができる。
キ−ル(バラストになっている)
 さて、クルーザーを手に入れたいと思っている人、どのくらいのサイズの船を手に入れたら良いかというと、免許、船検の規制があるので、全長12m未満の船ということになる。実際は、25フィートから36フィートぐらいの船が現実的だ。(1フィートは約30cm)
 1962年、単独大平洋横断を成し遂げた、堀江謙一氏のヨットは全長19フィート(5.7m)のクルーザーだった。今は30フィートのクルーザーを中心に、下は25フィート、上は36フィートぐらいの船が主流になっているようだ。原理的には、船のサイズが大きくなれば船の最高スピードは速くなる。したがってオフショア(外洋)レースでは、船を細かく計測した、レーティング・ハディキャップ・システムで到着順序が計算され、レース結果が出される。
 キャビンの中の広さも、1フィート大きくなるだけでかなり広くなって居住性はぐーんと良くなる。ポレポレスタイルとしては、グルーザー生活を楽しむという目的を考えると、30フィートの船が理想だが、取扱いの楽さや、値段的なことを考慮すると、25フィートの船でも十分である。
 サイズと定員に関しては、各サイズ、バース(ベッド)の数などから定員は決まってくるが、実際は、25フィートで6人、30フィートで8人までぐらいが適当だと思う。当然一人で乗ることも可能だが、これは乗る人の技術に関わって来る。
キャビン後部、右ギャレー、左チャートテーブル、階段の両側奥は、2人づつ4人のベドスペースになっている。この船は30フィートのレース艇なので機能重視で内装は簡素に軽く造られている。

ヨット関連のサイト

<Sailin' Japan>
ヨット関係のインデックスページ。

<Blue Water World>
セイリングの情報サイト。

 いよいよ値段の話になるが、新艇の場合プロダクションボートとカスタムボ−トでは後者が2〜4割高くなるが、25フィートで400〜600万円、26〜30フィートで500〜1000万円、30〜36フィートで1000〜2000万円ぐらい、これが中古艇になると半分以下の値段で買えることになる。ヨットの寿命は20年以上は大丈夫だから、25フィート、200万円の中古艇を4人で買えば、一人50万円の出資で済む。中古艇の情報は、雑誌及びサイトに載っている。

 しかし50万円なんてとても出せないという人、さて、これからがポレポレスタイルになるのだが、そういう人はクルーになろう。クルーザーは一人でも操船することはできるが、二人ひと組で操船することが多い。しかも夜中も走るような航海の場合は交代で操船するから、最低でも4人はいないときついことになる。したがってクルーを募集している船はっけこうある。雑誌やヨット関連のサイトに、クルーの募集広告が載っているからチェックしてみよう。
ヨットの雑誌
KAJI、オーシャンライフなどがよく知られているが、上記のサイト
<Sailin' Japan>のインデックスマガジンの欄に色々載っている。
Homeros (30ft)
春から秋まで、毎週土曜日に
三浦半島諸磯から相模湾を
クルージング。

クルー募集
初心者歓迎
葉書にて応募のこと、先着3名まで。
〒249ー0008
神奈川県逗子市小坪7ー11ー14ー301
杉野 恭 まで


 クルー
ヨットに乗るのは始めてという人こそクルーになろう。クルーになってちょっとしごかれれば、基本的な技術はすぐに身に付いてしまう。クルーザーの操船に関しては、レースでも無い限りはそんなにシビアなものでは無い。その上最近は、オートパイロットなどという便利な機械があって、セットしておけば酒盛りをしていてもちゃんと目的地に着くらしい。
 クルーザーの面白さは海で生活することにある。ヨットの上では、どんなことでも身の安全、命つまり生活に直結している。積極的に働けば働くほど生活することになり面白いのだ。操船はもちろんのこと、シート(ロープ)の整理、艤装の手入れ、デッキの掃除、キャビンの整理、炊事その他諸々が面白いのだ。
 ヨットは風が無いと走らない。したがってヨットマンは気象に敏感である。どんな風が吹くか、波の状態はどうかなど、天候次第では命に関わることがあるからだ。クルーは気象のことも学ぶ必要がある。でもこれは、アウトドアで遊ぶ者すべての常識かも知れない。ラジオの気象通報を聞いて天気図が書けるようになっておけば、天候の変化の予想が自分でできるようになる。
気象庁のサイトを見てみるのも面白い。 http://www.kishou.go.jp/
キャビン前部(フォックスル)
バースにもなるが、セールやシートの
置き場にすることが多い。手前はトイレ。

トイレ、ポンプで海水を汲みあげ流す。

 いったん海に出てしまうと、頼れるのはヨットと自分だけである。だからヨットのことを良く知り、自分の腕を磨いておく必要がある。海の上ではすべてが自己責任だ。だから海は自由で面白いのだ。
 クルーザーについて説明してきたが、海に、ヨットに憧れる人は、どこかの船のクルーに応募して、クルーザーを体験してみると良い。百聞は一見に・・・である。そして一刻も早く潮気の多いヨットマンになろう。やる気があれば、だれでも今すぐヨットマンになれるのだ。
 金銭的余裕があって、すぐにでもヨットが買えるという人でも、クルーとなって人の船に乗ってみるのも良いと思う。自分が乗りたいヨットがどんなものか判るし、海の仲間もできるからだ。

 


オートパイロット