6.

そしてついにタイ旅行最終日の朝を迎えた。水かけ祭のせいで重い筋肉痛の右腕を抱えながら、
ホテルのブレックファーストを済ますとさあ、今日はどうしよう!?特に予定はない。
予定と言えば、今夜の12時までにはバンコクの空港に戻らなければならないということだけだった。
ま、予定のない旅は慣れている。とりあえずぶらぶら散歩した後、デカイ水鉄砲を右手に、そしてお約束のビールを左手に持ち海岸線を歩くことにした。

それにしても暑い!南国タイで一番暑い時期だから当たり前なんだろうけど、もう上半身裸!。
サマーベッドやパラソルなんかもレンタルであったが、どうも一箇所にじっとするのは性に合わないので海岸線の端まで歩いた。

それからUターンして戻る途中、セブンイレブンで買い物を済ませると、パタヤーの優雅な海岸線が一望できるポイントがあったので、しばし座って一休みすることにした。
照りつける太陽、コバルトブルーに輝く海、リラックスしたムードのビーチ、道なき海を走るバナナボートなどなど、ちょっとした楽園だ。

「でも本当のタイって、これじゃあないんだよなぁ。これは偽りの楽園だ!いろんな人間いるんだよな。
 日本って金銭的には裕福だけど果たして人々の心は裕福なのかな!?」

・・・と一人旅特有のナルシストモードに入っていると、どこからともなく人が訪ねてきた。

「ホモノルビーサファイアヤスイヨ」(本物のルビー、サファイア安いよ!)

宝石関係の押し売りだ。興味ないのでもちろんパス。おかげさまで、せっかくのナルシストモードも台無しになった。

そんなこんなしてるうちにお昼を過ぎ、再び昨夜のような水鉄砲軍団がチラホラ顔を見せるようになった。
その水かけの模様はもう見てるだけで大爆笑!俺は昨夜この大爆笑の渦中にいたんだ・・・ということに気づくと、ちょっと恥ずかしくなった。・・・そんな感じにしばらく見物して歩いていると俺が昨日はしゃいだ店の前まで来てしまった。

そこで大発見!そのお店は俺が歩いた海岸線のどの店よりも一番水かけが盛り上がっている。
決してヒイキ目に見てそう言っている訳ではない。誰が見てもその店はパタヤーの水鉄砲軍団の中心部だ。
ふと通りの向こうから客観的にその光景を見ていたら昨日の仲間が誘ってくる。

車の上からも水かけ攻撃!
水のタンクが搭載されている。
もちろん水鉄砲も。

「こっちに来いよ。またやろうぜ!」

「暇なやつだなあ・・・」と思ったが、そんな俺が一番暇な奴だった。
数分後にはまたその軍団に加わり、今日も一人ながら日本軍は快進撃を飛ばしたのであった。

そしてまたしても数時間程、水鉄砲ごっこを楽しんだ。もうルールやノリは心得ている。
トコトン楽しんだ!という感じだった。それにしても連ちゃんの水かけはさすがにこたえる。
そんな中、きりのいいところで疲れを癒すべく海岸線でくつろいでいると、
いきなり何者かが俺の特大水鉄砲を奪い去ろうとする。
抵抗しようとしたが、次の瞬間その男はポリスにその水鉄砲を手渡していた。警察が回収しているらしい。
ふと周りを見渡すと誰も持ってる人はいない。みんな没収されたか隠し持っているかどっちからしい。
お正月ということで事故を防ぐための対策であろうが、確かにあのままあの水鉄砲戦争が続いていたら危険なような気がする。お土産に持って帰ろうと思う程、思い出の品だったので、ちょっと残念だったがもう十分過ぎるくらい水鉄砲ごっこは満喫したので、またいつか次の機会に楽しむとしよう・・・と思いあっさりあきらめはついた。

その後はいろんなところで歌やらダンスやらのお祭り状態。確かに街全体が盛り上がっていた。

やっぱり今日はお正月でお祭りだったんだ!
と思い出させてくれた踊りだった。
ここに来て初めてタイの民族衣装みたいなものを
拝めたような気がする。
こっちはちょっとしたダンス軍団!
DJをバックに思うままに踊りまくっていた。

そんなこんなで気ままに過ごした最終日!さ、そろそろ空港に・・・というノリになったが、ここはバンコクではなかった。
パタヤーという土地でありバンコクそして空港からは遠く離れているのである。

「あれー?バンコクってどうやって戻るんだっけ?」

パタヤーに来るとき車の中から、オヤジがなんとなく教えてくれてたけどすっかりそんな記憶はぶっ飛んでいた。
お店の人に尋ねるとわざわざバスの乗り場まで案内してくれた。なんていい人だ。

そしてバスに乗ること2時間位。やっとこさバンコクに到着!
バンコクに着いたら問題ないだろうと思っていたのだが、冷静に考えると俺はバンコクについての土地感はゼロであった。
それもそのはず、タイの空港に着いてからパタヤーに行った時まで、全てオヤジというガイドがいたのであった。
バンコクに関しては何もわからない。空港までの行き方もさっぱりわからない。
道行く人やその辺りのお店の人、ガソスタの兄ちゃんなどに空港行きのバス停はどこか?と聞いて回った。
もちろん英語は通じない。ジェスチャーがメインの会話だが問題なく通じる。結局、誰に聞いても明確な答えは出てこず、グルグル迷ったあげくしまいには「バス停があってももうバスの時間は終わってるよ」と言われる始末・・・。異国の地での疲れはもはやピーク。結局タクシーに乗って空港まで行くことになった。

道行く人に金額の相場を運転手さんと話をつけてもらったのでボラれる心配はなさそうだ。
・・・といっても高速代含めてもおよそ300バーツとのことだった。タイではかなりの金額だが、日本円に換算すると900円・・・。
個人的に旅行先で交通のために贅沢するのは嫌いだったのでちょっと胸が痛んだが、この際しょうがない。
贅沢極まりないが、生まれて初のタクシーによる空港入りを果たしたのであった。

後はもう慣れたものだ。荷物チェックを受け税関を通ると飛行機へ乗るだけ。・・・とその前にタイバーツがいくらか、あまっていたので、DUTYFREEのお姉さんに持ち金を渡しこれで買える組み合わせのものは何かを尋ねると、それに見合ったチョコやらなんやらを合わせて選んでくれた。
笑えたのがその後!商品を渡してくれた時、なぜかそのお姉さんは俺に手を合わせて「ありがとう」と頭を下げている。
「何かなあ?」と思ったら「お釣りをありがとう!」の意味だった。
ははは、誰もあげるなんて言ってないのに・・・。ま、いいか!

飛行機は相変わらずエア・インディア。インド帰りの日本人達と合流だ。
それにしてもエア・インディアの機内はインド帰りかタイ帰りかわからんけど、とにかくバックパッカーが多いねー。
それぞれ日焼けした日本人らしからぬ肌の色は「さぞ長い旅だったんだろう」ということを想像させてくれた。
それにしてもその日本のバックパッカーはみんな似たような感じだった。みんな坊主頭、そしてうっすらはやしているヒゲ、そしてゴツい。歳は20代前半だろう。
旅をして何やらみんな自信をつけたと思わせる顔をしていた。
だから何・・・という訳ではないが・・・。「長期旅行いいなー」とちょっと羨ましかった。ははは。

いつもお世話になってる俺のバックパック。
今度もよろしくね。

・・・ってな感じで俺の今回の旅「ちょっとバンコクまで」はこれで終了。今回は前回のモロッコスペインとは、比べ物にならない位の短い3泊5日という旅だったけど、自分をリフレッシュする・・・というか再発見するというか、自分らしさを磨くには丁度いい旅だったと思う。日本に住んでずっと同じ生活を送ってると、世界の事とか遠い国の事とか、あんまり考える余裕とかないけど、こういう旅をするとふと色々な事を気づかせてくれるような気がする。

特に今回感じたのは日本の常識とは?ってことかな!遠く離れた大陸の国とか全く違う民族とかだと「しょうがないかな」と思うけど、今回は同じアジアの国。でも価値観が全然違う。どっちがいいという訳ではないけど日本の常識が全く通用しなかったりする。
日本の常識ってちょっと固すぎなのかな?うまく言えないけど、凄くそんなようなことを感じたなぁー。

それにしてもタイの今回の旅行は本当に楽しかったー。また絶対行きたい!っていうか絶対行ってやる。
もっともっとタイについて知りたいし、もっともっといろんなところに行きたい。タイはリピーターが多い!ってのもよくわかる。
次行く時は、絶対また4月の中旬!水かけ祭りがやる時期に行くつもり。凄く楽しいもん!本当にお勧めです。

そんではまたちょっとどっかに行くことがあると思うんでその時に・・・。

   ヒダカ