「このラップトップコンピューターってのは何?」
「ん〜、それがあれば塩の倉庫でもロンドンの事務所でもきちんと仕事ができるだろう、私は是非それが欲しいんだよ。」
目の前の恰幅の良いキリバス人の口からは、トラックが欲しい、バイクが欲しい、事務所もないし、コンピューターも欲しいんだ!次々に欲しいものが飛び出してくる。欲しいのはわかるけどプロジェクトがうまく進んで利益が出てからじゃないと買えないだろう?と僕が切り返すと、
「でもバイクがないと作業者が塩田に行けないし、トラックがないと塩を港に運べないし、そうそうそれから長靴が足りないんだよ、長靴がないと仕事ができないし、それも今ある黒いやつじゃなくて、白いのが良いよ、黒い長靴じゃ足がやけどしちゃうんだ!!」
・・・「バイクは去年2台送ったし、長靴も手押車もたくさんあるはずだけど?」と確認してみるが
「あ〜バイクはとっくに壊れちゃったよ、それに手押車も壊れてるし、海水を汲み上げるポンプも・・・」
「ポンプは新しいものを去年送ったでしょう!?なんでそれを使わないの?」
「今使ってるのは新しいポンプだけど、メンテナンスに手間がかかって大変なんだ、新しいのを送ってくれると助かるな〜」
“already broken”クリスマス島で一番良く聞く英語かも?と思う程なにもかも壊れている。ここはクリスマス島ダウンタウン“ロンドン”大臣の事務所の会議室、といっても壁も天井もベニヤ張り、テーブルは傾いているし、丸椅子もがたがたして落ち着きがない。僕の目の前には新しく塩田のプロジェクトの担当者となった多分30才前後のキリバス男がボテッと座っている。 |