★★120回記念号★★
「パーティー&パーティー」

ホテルのエントランスに、友だちが車で迎えにくる。今しがた降ったスコールで、車のボディーがキラキラと光っている。きれいに晴れた夕焼けの中を、僕たちは少しだけお洒落をして、今夜のパーティー会場へ向かった。

真っ赤なロングのワンピースのキミは、その中でもひと際目立っていた。それが僕たちの自慢だった。先日のサーフィンの途中、波を背中からまともに受けたアイツは、首にコルセットを巻いている。そしてもうひとりは、油のペイント・アーティストだ。

会場に到着する。レセプションでの挨拶もそこそこに、僕たち4人は急いでガーデンへと向かう。ちょうど太陽が、レギャンの海に沈む瞬間だった。もうその姿の半分を海の中に入れた太陽は、周囲の海も空も、見事なオレンジ色一色に染め上げていた。

今夜の主役はジャック。彼はもうこのバリ島に来て15年になる。チャイニーズ系インドネシア人の彼は、生まれた土地の内戦により、ここバリ島へやってきた。彼の誕生日には、スイス、スウェーデン、イギリス、シンガポール、フランス、オーストラリア・・・たくさんの国から、友だちが駆けつけていた。

僕たちはジャックを見つけると、まずはお祝いのメッセージと、そしてそれぞれにプレゼントを手渡した。もう50歳も半ばになる彼は、いつも笑顔が素敵なやさしい目をした、木工家具工房のオーナーだ。グレイト!そう言って、彼はひとりひとりを暖かく抱きしめてくれる。

会場に来ているひとりひとりが、みんなジャックのことを思いやりと尊敬の念を持って包み込んでいた。ジャックはその中で、いつものように静かに笑っている。僕もほとんど全員、初対面の人ばかりだったけど、すぐに打ち解けることが出来た。

ジャックが自分で大きなバースデー・ケーキを運んできた。そのまま真っ赤なドレスを着たキミのところに来て、そして少し大きな声で「今夜の主役は彼女だ!」とみんなに告げた。大きな歓声と拍手が沸き起こる。何故だかわからないけど、そこにいた僕がとても自慢げに見えた。