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 「カメハメハ大王の夢はカプチーノの香り 」
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仕事でカメハメハについて原稿を書くことになった。朝から図書館まで出かけ、色々調べてみるが、もうひとつ決定的な興味深い話題に行き当たらない。あれやこれやと思い巡らせても、なかなか筆がすすまず、ふとカメハメハ大王に直接電子メールで問い合わせたら、どんなに早く真実を知り得ることができるだろうかと、ノートパソコンを開けてメールを打ち始めてしまった。
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Click! |
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宛先:カメハメハ大王様 / king_kamehameha@hawaii.com
題名:裏話
カメハメハ大王様、はじめまして。大王様に電子メールで質問する失礼をお許しください。ハワイ全島を統一した偉大な大王様にまつわるお話は数多く伝わっておりますが、まだみんなが知らないようなお話、たとえば大王様には多数お后がいらしたようですが、その中でもカアフマヌ女王様を溺愛されたと伺いました。機会があれば、そのカアフマヌ女王様との出会い等、ぜひぜひ大王様のラブ・ストーリーをお聞かせ頂きたいものです。
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ふと気が付けば、ノートパソコンの横に突っ伏して眠ってしまったらしい。眠い目をこすりつつ、香り高いコナ・コーヒーをいっぱい。どうやら昨夜は原稿を終えることができずに眠ってしまったみたいだ。急がなくっちゃと、パソコンを立ちあげてみたところ、1通の電子メールが着信しているのに気がついた。
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宛先:ハワイを愛するライター殿
題名:返事
本当に便利な世の中になったものだね。電子メールで君のような現代人とも連絡が取れるのだから。君は私のラブ・ストーリーを聞きたいようだね。そう、カアフマヌ女王は他のどのお后よりも魅力的だった。ちょっと太めの彼女の絵が現世には伝わっているが、私が知り合ったころはもう少しスマートだったよ。初めて彼女を見た時に雷に打たれたごとく、心臓が高鳴ったものさ。そう、ソウルメートっていうやつだね。初めてのデートは夕暮れのビーチでだった。ヤシの木にもたれながら私を待っていてくれた彼女。その美しい彼女の姿とヤシの木が、サンセットの中で、ロマンチックなシルエットを作りだしていたよ。ビーチに打ち寄せる波の音に耳を傾けて、潮の香りを感じながら二人で夜更けまで語り明かしたんだ。カアフマヌ女王は勝ち気で私の妻となってからは、よく喧嘩をしたものだが、でも賢くて心優しい女性でもあったから私が死んだ後も、ハワイの生活向上や女性解放のために尽くしてくれたんだよ。もっと私達の話を聞きたいかね?聞きたければまた電子メールで連絡してくれるがいい。
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感動と共にメールを読み終えたちょうどその時、誰かに肩を叩かれた。「デスクで居眠りしちゃ困るよねえ!早く原稿出してくれよ。」あれ?カメハメハ大王からのメールは?やっぱり夢だったのか。同僚が持って来た入れたてのカプチーノを片手に、がっかりしてデスクのコンピューターに向かった。目覚ましに、シナモンがたっぷりとトッピングされたカプチーノの香りを思いっきり吸い込んだその時、スクリーンにカメハメハ大王とカアフマヌ女王のシルエットが浮かびあがり、「またメールを待っているよ。カメハメハ」と文字が流れて行ったのを、私は見逃さなかった。
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