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数週間ぶりにハワイに戻って来た。ここ数年一度もハワイを離れていなかったので、誰もが憧れる風光明媚なハワイに住んでいるという、ある種の特権や感動をすっかり忘れつつあった。しかし飛行機が着陸態勢を取って、ホノルル空港に差しかかった時、上空からオアフ島の様子をなんとなく眺めていると、早朝の太陽を受けて、キラキラと輝きながら貿易風に揺れるヤシの木々の姿が、なぜかとても新鮮で、「ああ、やはりハワイって最高!」と限りない感動を覚えた。 |
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ホノルル空港を後に、H1フリーウェイをワイキキ方面に向けてドライブしながら、目はなぜかまだヤシの木々を追っていた。ほんの数週間ぶりに見るヤシの木が、妙な懐かしさを呼び起こし、なんだか私に「お帰り!」と話しかけてくれているような気さえした。そんなヤシの木の歓迎を道すがらに受けつつ、カピオラニ大通りを通りぬけて我が家のあるモイリイリ地区へと入った。 |
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年季の入ったブルーのワーゲンに乗り込むや否や、彼はまっすぐカネオヘ方面へと車を飛ばした。何がなんだかさっぱりわけがわからないままの私に「実はさ、映画の撮影があるんだけど、すごくいいヤシの木を何本かセットに使いたいんだって」とクラーク。「そのヤシの木を探しにカネオヘの山奥まで来たわけ?」という私の疑問に答える間もなく、車はやがてデコボコ道を入って行き、林を抜けた所で止まった。するとそこには真っ黒に日焼けをした地元のおじさんが立っていて「いやあ、あんたかい? ヤシの木を借りたいって言ってたのは?」と大きな手を出して握手を求めてきた。おじさんの名前はスコット。そして彼の職業を聞いて驚いた。なんと「ヤシの木ハンター」。その仕事とは、庭付きの一般家庭をくまなく回り、格好のいいヤシの木を探し出しては、値段の交渉を持ち主とする。交渉が成立すると、後日クレーン等を持って、再びその家に舞い戻り、根こそぎそのヤシの木を掘り出して持ち帰る。値段は、その木の年数、形、大きさにもよるが、1本$500〜$1500程度なのだとか。持ち帰った木々は、ホテル、ゴルフ場、一般家庭用などに売られて行く。 |
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「これなんかどうかね?」とスコットが彼の作業小屋の裏においてあった1本のヤシの木を指さした。「これで25年物の木さ。もっと大きいのが必要かね?」とクラークとしばらくやりとりが続く。なんと苗木から一人前のヤシの木に育つまで、最低10年、通常で25年から40年くらいかかってしまうのだそうだ。成熟した木になってから2年で、実が成るようになり、それから1年くらいでだんだんと弱り始めるという。 |
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