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「ホク・ドリームが楽しめるレストランは、常夏の香り」
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この店だった・・・。常夏の香りを感じるこの店。甘酸っぱい香りと心地よい貿易風が吹き抜けるレストラン、そしてレストランの前のテラスに座ると一望できる海。このレストランに初めてやってきたのは、いつのことだったか定かではない。でも、覚えている。ここのメニューはとっても特別で、ほかでは味わうことができないものばかり。そしてそのハワイの香りがいっぱいの料理を食べ終わった後の、あのなんとも言えない幸せな気分。いくら探しても、二度と見つからなかったこのレストランを、今日は再びラッキーにも探しあてることができたのだ。さて、今日のメニューはなんだろうかと胸をわくわくさせながら、人通りのない道へと車は入っていく。ヤシの並木道を抜けたところに、ぽっかりと出てくる一見コッテージ風のこのレストラン。今日はロコの友達のケアロハも興味津々で一緒にやってきた。 |
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その建物の扉を開いたとたん、なんともいえないような、トロピカルな甘い香りが鼻をくすぐる。ケアロハと二人で、海の見えるテラスの席を陣取った。やがて、真っ黒に日焼けしたロコのウエイターがやってきて、とても感じの良い薄茶色の紙にダーク・グリーンの縁飾りがついたメニューをにっこり笑いながら差し出した。そのメニューを開くとたった一行だけ「本日のディナー:オノ・ハワイアン・スペシャル」と書かれてある。ケアロハが不思議そうな顔をして私を見たが、私は「じゃあ二人前ね」とウエイターに注文した。「いったい何が出てくるの?」とケアロハ。そんな彼女の前に、ウエイターは「本日の食前酒はパッションフルーツのカクテルです」と、甘酸っぱい香りのするドリンクを差し出した。驚きながら受け取るケアロハに「まだまだ、これからですよ」とウエイターはウインクをして立ち去る。間もなくサンセットを迎えるハワイの海に向かってグラスを傾け、とりあえずは二人で、このレストランを見つけることができたことに乾杯! |
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やがてウエイターが食事をのせたカートを押して現れた。無言のうちに、色とりどりの食べ物がのった器が次々に目の前に並びはじめ、テーブルの上はまるで美しいジェムストーンをちりばめたかのうような風景に。「さて、今夜のディナーは、ワイマナロ地区で採れた有機野菜を豊富に使ってみました。完熟黄色トマトの冷たいスープに、マノアレタスとオニオンのチキンサラダ、そしてカフク産のエビのマリネ、ロブスターのロミロミサーモン添え、それからハワイ産フルーツの盛り合わせカクテル!さあ、ごゆっくりお楽しみください」とウエイターは立ち去った。いったいどれから手をつけようかしらと、とまどうケアロハを横目で見ながら、私はまずみずみずしいオアフ島のマノア地区で採れたマノアレタスを口にほおばる。パパイアシードのドレッシングの甘さが口の中に広がって、さらに食欲をかき立てる。ぷりぷりのカフク産のエビにかぶりつきながらケアロハは「うーん、甘くておいしい!」と感激の声。そして二人が完熟黄色トマトのスープを手にした頃、ゆっくりとハワイの空にもこの黄色トマトに負けないくらい黄色い満月がぽっかりと浮かびあがって私達のテーブルをロマンチックに照らしはじめた。 |
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ほぼ満腹に近い状態になった私達の前に「今夜のしめくくりは、おいしいハワイ産のコナ・コーヒーにスターフルーツを浮かべてみました」と、ウエイターが運んできたのは、ダークブラウンのコーヒーの中に浮かぶ黄色い星形をしたスターフルーツ。まるでそれは今日の夜空の星のようにきらきらと輝いていた。「ホク・ドリーム」と名づけられたこのデザート・コーヒー。そのコーヒーのにおいが鼻をくすぐるような、そんな感じがした時、ついに昼下がりの転寝から目が覚めた。 |
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いつのまにか私のアパートにやってきたケアロハがコーヒーを入れてくれたらしい。目が覚めたら、さっきまでの素敵なディナーも、あのレストランも、すっかり消えてしまっていた。そういえば、この前もあのレストランに行ったのは、夢の中のできごとだったのかもしれない。でもいつかきっと、あのレストランに現実にたどり着けそうな、そんな気がしている。 |
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