Report-5
パラダイスラブの居住システムについて
 我がパラダイスラブの居住システムは当然自律型のシステムを考えており、もちろんエコロジーなものとなるはずだ。生活の三大要素、食料、エネルギー、シェルターの内シェルターから考えてみよう。
 パラダイスラブでのシェルター(建物)は、やはりドームだろう。ドームは少ない資材で大きな空間がつくれるし、組み立ても重機を使わなくても組むことができる。フラーの提案したドームはアルミフレームに透明なプラスチックフィルムという構成だったが、ドームの規模も小さいし、ポレポレ島は太陽高度も高い(日ざしが強い)ので、透明フィルムだと温室効果で室温が高くなりすぎてしまうので断熱材の入ったパネル構造を考えている。ドームは半球という構造からトップと裾周りに開口部を作っておくと内部の空気の対流で外気より15%ほど温度が下がるという自己冷却構造となっているので冷暖房装置は使わない。フレーム材はアルミが優れているが成形など大量に工場生産しないとコスト的に高いものになってしまうので、2X4などに使われる規格木材を使うことにする。
IA4V(正20面体4回線分割)の数値資料。
各部材の寸法は:半径×コードファクター。部材の取り付け面角、軸角、2面間角は表のようになる。
 ドームは幾何学構造なので、ドームの半径が決まれば部材寸法や部材数などは簡単に算出できる。造る研究所のドームの形式は、正20面体の4回線分割法、高さは5/8(球を何処で切るかということ)で、ドームの半径は5メートルを考えている。床面積はおよそ74平方メートル、22坪ほどになる。
 上図の数値資料を見ると何やら難しそうに見えるが、上図の三角形の組み合わせだけで出来上がってしまうので、ドームの構造図面はいたってシンプルなものである。
 次にエネルギーシステム。ポレポレ島にはサンズサンデザートにソーラー発電、ケープオブウインドに風力発電、キングウインドバレーに水力発電の電力施設があり、島自体に自給の電力システムがあるが、あえてパラダイスラブにも自給の電力システムを造る計画だ。
 発電方式は各シェルターにソーラー発電、住区ごとに風力発電、パラダイスラブ全体に水力発電という構成を考えているが、それぞれの発電規模はまだ算出していない。ソーラーに関してはドームのパネルをソーラーパネルにするわけだから、ドームの大きさで発電能力は決まってしまうだろう。生活システムを電力消費の少ないものにして、ドーム自体で成るべく自給をし、足りない分を風力から補うという方法にしたい。
 消費エネルギーのほとんどは電力を使うシステムであるが、一部石油系燃料が必要になるかも知れないが、なるべく使わないようにしたい。
 食料の自給システムはまずは栄養学から始めなければならない。食料の自給というのはたいへんに時間と労力を必要とするもので、人間以外の動物は生活時間のほとんどを食料の確保に費やしているといってもよい。食料の自給を効率的にやるためには、まず人は何を食べれば健康に生きていけるかを知り、それを効率良く手に入れる方法を考えなくてはならないからだ。何を食べれば健康に生きてゆけるかは栄養学を学ぶしかない。最近の栄養学は日々進化しており、人が生きて行くために必要な栄養素というものがかなりハッキリと判っている。つまり理想的なメニューというものが出来上がっているのだ。そのメニューの中からポレポレ島に合った食物を選んで自給システムを作れば良いことになる。
 以上パラダイスラブの居住システムをざっと考えて来たが、パラダイスラブでは「・・・ねばならない(Must)」という考え方はしない、「・・・の方が良い(Better)」という考え方を常に選び、柔軟に生きて行くつもりである。
次回はパラダイスラブでの暮らし方ついてのレポート。