Introduction
 私は「楽園の放浪者」のVol.2で、『「よし決めた、絶対にここだ!ここ以外は考えられない」と思わず叫んでしまう場所に出会ったら、この放浪の旅は終わる。旅を始めてすぐに出会ってしまえばそこで旅は終わってしまうし、もし出会わなければ、この島に私の約束の地はないと納得するまで、島をぐるぐると回ることになるだろう。』と書いた。
 去年の6月からこのポレポレ島を放浪して、やっと私の約束の地を見つけたのだ。そこは、アラハレイクから流れ出す2本の川とキキの町に向かう道路に囲まれた三角形の土地だ。私はそこに定住して楽園生活を追求しようと思う。
 土地の広さはおよそ100万平米、約30万坪である。ものすごく広い!おそらく多くの島民からは「Kazsan ひとりずるい」という声があがるだろう。しかし、私には権利があるのだ。私はこのポレポレ島を設計し創り出した張本人で、私には、ギャラの代わりに好きな場所を好きなように使って良いという特権が与えられているのだ。どうだ、恐れ入ったか!でも私はこの土地を私利私欲のために使うつもりはない。Paradiselab(楽園生活研究所)を造って楽園生活とはどんなものかを追求するために定住するのだ。
 ではパラダイスラブとは何か?我々が暮らす世界は今、様々な危機的状況に直面している。環境、経済、政治、教育、その他なにをとってみても複雑な問題があり、先が見えない。それは社会が巨大、複雑化して、人間の運営能力を遥かに超えてしまっているからだと思う。パラダイスラブでは社会の原点に戻り、シンプルな社会を組織し、シンプルな生活を通して人類の理想的生活を再構築すべく、実験的生活を開始するのだ。パラダイスラブは楽園生活研究所あるいは楽園生活実験場と呼んでも良いものである。
 かつて人類は自然の脅威から己を守るために社会を組織した。しかし現代においては、巨大化した社会が自然や人間個人の脅威となっている。人類が営々と蓄積してきた知識と技術が生産性を高め、生活を豊かにし社会を大きくし、社会をコントロールできないほどに巨大化させた。これからは、この知識と技術を、自然や個人にやさしい社会を創るために使うべきなのだ。量から質への価値観の転換である。

 パラダイスラブでは、衣食住から考え方まで、生きて行くのに必要なものすべてを、楽園生活という切り口で捕らえ直し、実験生活して、それをレポートして行きます。もちろん、パラダイスラブは一人で暮らすには広すぎるし、また一人では社会が作れないので、共同生活者は拒みません。パラダイスラブはパラダイスコミュニティーという小さな国にするつもりです。どういう形になるか分かりませんが皆さんに参加してもらうつもりです。
次回は土地についてのレポートです。